海外大学と連携して、グローバルな課題解決に取り組もう!(グローバル学術連携センター/情報工学科 教授 鷹野 孝典)
グローバル学術連携センターは、海外研究機関との共同研究や研究者間交流の促進を目的とした、神奈川工科大学の新しい国際連携拠点です。国際共同研究の提案、国際教育プログラムの開発、オンライン講演会や国際シンポジウムの開催など大学のグローバル化を目指した学術的な企画や取り組みを行い、国際教育研究連携を推進します。
グローバル学術連携センター/情報工学科 教授 鷹野 孝典
1. はじめに
神奈川工科大学では、海外の大学や研究機関と協力し、国際社会で活躍できる人材の育成や教育研究のグローバル化を推進することを目的として、世界各国で39校(2024年4月時点)の大学や研究機関と海外学術教育交流協定を締結しています。グローバル学術連携センターは、このような海外協定校を中心とした学術連携を統括し、その拠点となり、国際教育研究を活性化する役割を担います。
図1.2023年本学で開催された国際シンポジウム
2. 国際共同研究の事例
本学の研究所・センターの協力を得ながら、国際共同研究を提案しています。海外協定校と展開している国際共同研究の事例を紹介します。
【ドローン技術による気候変動に対応したスマート農業】
日本(神奈川工科大学: クライソン元教授、鷹野教授、宮崎教授)、タイ(バンコク大学: Kingkarn Sookhanaphibarn助教、Worawat Choensawat助教、Panapong Songsukthawan講師)、インドネシア(PENS: Endra Pitowarno講師、Agus Indra Gunawan講師)の三カ国の合同研究チームが役割分担をしながら研究を推進します。ドローンと AI技術を導入したスマート農業の実現を目的とした研究を提案しています。3カ国のチームによる共同研究を通して、アジア農業の生産性と作業効率の向上とともに、食物の安全性の確保と農業環境との調和性の維持が期待されます。(図2)
図2. ドローンと AI技術を導入したスマート農業
【国際的な倫理性と責任性を伴ったヘルスケアAI】
日本(神奈川工科大学: 鷹野教授、広井教授)、タイ(チュラロンコーン大学: Ratchatin Chancharoen准教授、Lunchakorn Wuttisittikulkij准教授)の2カ国の合同研究チームにより研究を推進します。心と体の健康を守るための対話型ヘルスケアAIを導入した健康管理支援の実現を目的とした研究を提案しています。日本とタイにおいてヘルスケアAIに求められる倫理性と責任性を定義した上で、人々の気持ちや感情に寄り添いながら、心と体の健康を増進する健康管理システムの実現を目指します。(図3)
図3. 心と体の健康を増進する健康管理支援
3. 国際教育プログラムの展開
大学間での教員派遣やオンラインを活用した国際教育プログラムを開発しています。国際教育活動の事例を紹介します。
【自動運転AIカーレース】
神奈川工科大学 脇田教授が自動運転AIカーレースを実施するための教育プログラムを開発しました。2024年秋頃に、バンコク大学 (Kingkarn助教) の協力により、海外協定校との国際レースとしての展開を計画しています。(図4,5)
図4.バンコク大学での自動運転AIカーレースの実施
図5.2023年8月に本学で行われたラジコンカーレース
【出張・オンライン講義】
海外協定校への出張・オンライン講義を展開するための教育プログラムを開発しています。タマサート大学SIITやバンコク大学などで人工知能演習(鷹野教授)やEV(クライソン元教授)に関する講義を行いました。(図6)
図6. タマサート大学SIITでの出張講義
4. 今後の展開
国際共同研究の提案や国際教育プログラムの開発を継続するとともに、国際共同研究や研究者間交流を活性化するためにオンラインによる講演会を実施していきます。さらに、国際共同研究の取り組みや成果について幅広く情報発信するために、定例国際シンポジウムなどを開催する予定です。
▼関連するSDGs
4 質の高い教育をみんなに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
17 パートナーシップで目標を達成しよう