スマートハウス技術の海外発信を強化する仮想化技術の紹介(スマートハウス研究センター/センター長 一色 正男)
当センターではスマートハウスの国際標準通信規格である「ECHONET Lite(ISO/IEC 14543-4-3)」の国際的な普及促進活動を行っています。今回紹介するのは仮想化技術として、VR見学サービスとオンラインデモシステムの2つです。
スマートハウス研究センター 一色 正男センター長
図1a
1) インターネット上からセンターの試験施設が見学出来る「VR見学サービス」
スマートハウス研究センターはECHONET Lite機器の通信試験や動作検証を行える試験施設「HEMS認証支援センター」を運営しています。コロナ禍以前は国内外の多くの企業やスマートハウスに関心のある方々に訪問いただいていました。今回、新型コロナ感染症の拡大により来校が難しくなった方向けに、試験施設をインターネット経由で見学出来るサービスを開発しました(図1)。実写をもとにした3次元空間での Virtual Reality (VR: 仮想現実) 技術を利用し、リアルな見学が体験できます。
本サービスは、海外での展示会や海外向けの研修会でも既に活用しています。
現在はVR(仮想現実)見学サービスですが、最終的には次節で紹介するオンラインデモシステムと融合させてMixed Reality (MR: 複合現実) サービスとして提供する予定です。
図1b
図1c
2) オンライン制御デモシステム
センターに設置されたECHONET Lite対応の蓄電池・太陽光発電装置・分電盤・スマート電力量メータ・エアコンなどで構成される HEMS 実験システムを、インターネット経由の遠隔操作により効果的なデモをすることができるシステムです。蓄電池の充放電量やエアコンの動作設定をユーザーインターフェイスで容易に変更することができ、その結果生じるシステム内の電力の値や流れの向きの変化をわかりやすくグラフィックスで表現しています。またセンターに設置した複数台のビデオカメラのストリーミング映像も本システムに統合することで、リアルタイムで機器の動作確認を行うことが出来るため、ECHONET Liteの特長の一つである、細かな制御(図2のような風量調節)も実演することが可能です。
センターの通信ネットワークとPCをVPN(Virtual Private Network)接続しており、海外からもこのPC経由でECHONET Lite機器を操作することが出来ます。
図2
またECHONET Lite規格を策定している一般社団法人エコーネットコンソーシアムと協働で国際展示会に出展しており、これらの技術を実際の海外展示会で紹介しています。詳しくは下記URLをご参照ください。
【エコーネットコンソーシアムWebサイト】
Enlit Asia 2022出展報告
ESS EXPO 2022出展報告
CES 2022出展報告
▼本件に関する問い合わせ先
研究推進機構 広報担当
E-mail:ken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp
▼関連するSDGs
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう