天然資源からプラスチックをつくる(応用化学科/生物有機科学研究所 教授 森川浩)
植物等が産生した生物資源に、有機化学の手を加えて別のものに作り替えています。その一つとして、プラスチックを生み出す研究を行っています。
応用化学科/生物有機科学研究所 森川浩 教授
我々はリモネン(図)やその関連物質を化学原料として、有用な有機化合物やプラスチックを合成しようとしています。リモネンは、ミカンやレモンなどの柑橘類の加工処理後に廃棄される皮に含まれており、有効利用が望まれています。また、その特徴は、「環状の形をしており、丈夫になる(図))」「非可食資源である(捨てられるゴミ)」であり、天然資源由来のプラスチックの原料として理想的要件を備えています。
実際に合成する際には、温度や添加剤の種類/量など種々様々な反応条件を最適化する必要があります。また、化学構造によって、丈夫さや柔らかくなる温度などの性質が変わってきます。
以上のように、我々は合成化学者の立場から、環境問題と相反するような新材料創製にいかにしてアプローチできるかを考え、日々研究し、私たちの社会を支える材料開発に取り組んでいます。