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様々な香りを提示する嗅覚ディスプレイの研究開発(情報メディア学科/バイオメディカル研究センター 教授 服部 元史)

  

情報メディア学科/バイオメディカル研究センター 服部 元史 教授

香りVRとグラフィックスVRで設計する未来の3Dゲーム技術を、予防医療に応用して参ります。

  

バイオ メディカル研究センターには、「バイオ・化学・栄養・医療など生命科学の研究者達」と情報科学の研究者達とが集まって、それぞれの理論・技術を融合しながら、新しい発想の研究・開発を進めております。その成果の一例として、予防医療の研究室と Virtual Realityの研究室との共同研究による「香りVRと医療への応用」を紹介させて頂きます。

VRというと、Head Mount Displayなどを通じて人間の視覚へグラフィックスを提示する「視覚VR」を連想する方々が多いと存じます。しかし本研究では、様々な香りを切り替えて人間の嗅覚へ提示する「嗅覚VR装置」を開発しております。開発した装置の一例として、3種類の香りを切り替えて提示できる嗅覚ディスプレイ( 図1 )と、その原理( 図2 )を示します。コンピュータからピエゾ振動子を駆動することで噴霧された液体香料が、ファン( 小型扇風機 )による空気の流れで運ばれながら気化されて、香りの気体となり、人間の鼻元に届きます。人間の鼻元へ送る香りの強さ( 弱さ )や時間帯( 長い時間 / 短い時間 )を ピエゾ振動子によって調整できます。

ゲーム開発エンジン Unityから嗅覚ディスプレイを駆動していますので、Head Mount Displayで人間の目にグラフィックスを見せながら、それに沿った香りを嗅覚ディスプレイから提示する事が可能です。従って、3Dゲームをグラフィックスでプレイしながら、「香りを楽しむ」ことができます。

このような「香りVR」と「グラフィックスVR」との融合を、予防医療へ応用して参ります。日本で高齢者が増加するのにともない、認知症を発症する人も増えています。認知症を発症する以前の兆候を事前に診断し予防するために、高齢者の嗅覚を測定して解析する研究を進めております。

香りVRやグラフィックスVRで設計される統合VR空間を、高齢者の方々に体験して頂きながら、予防医療へ有益な解析を進めるべく、生命科学の研究室と情報科学の研究室による共同研究を続けて参ります。

▼本件に関する問い合わせ先

研究推進機構 広報担当

E-mailken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

 

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