Quick Search
Quick Search

Quick Search

よく見られているページ

CATEGORY

カテゴリーから知るKAIT

KAITの学び EDUCATION

KEYWORD

キーワードから知るKAIT

Quick Search
大学紹介
教育
学生生活
研究
地域・社会貢献
教職員用ポータルサイト 在学生向けポータルサイト 保護者ポータルサイト 卒業生ポータルサイト
  • TOP
  • 最新研究情報一覧
  • 自動運転評価のための高精度走行軌跡計測技術の研究(先進自動車研究所 研究員 上原 健一)

自動運転評価のための高精度走行軌跡計測技術の研究(先進自動車研究所 研究員 上原 健一)

光ファイバジャイロによる高精度IMUにGNSSとRTKを接続して車両に搭載して計測することで、車両の絶対位置を数cmの誤差範囲で計測することが可能となります。この絶対位置の時間変化を結んでいくことで車両の高精度な走行軌跡を得ることができます。

IMU:Inertial Measurement Unit. 慣性計測装置。運動を司る3軸の角度と加速度を検出する装置です。光ファイバジャイロを搭載したIMUはこれらを高精度に計測することができます。

GNSS:Global Navigation Satellite System. 衛星測位システム。代表的なものとして米国のGPS、ロシアのGLONASSがあります。誤差数m~数十m。

RTK:Real Time Kinematic. 電子基準点から受信する電波の位相差を計測することで誤差数cmの計測精度が実現可能です。

高精度IMUで計測した走行軌跡には車線の情報が含まれていないため、車線内における走行位置を知るためには、高精度IMUによる走行軌跡を、地図やGoogle Earth等の衛星画像にプロットする必要があります。しかしながら、一般的に高精度IMUに比べて地図や衛星画像の精度が劣るため補正が必要となります。

そこで、高精度IMUによる計測と併せて、車両前方をカメラにより撮影し、計測後の画像解析により白線を検出することで車線に対する車両位置を特定し、これを補正のための基準として使用することを考えました。計測構成図を図1に示します。

先進自動車研究所 上原 健一 研究員

図1 計測構成図

画像認識による白線検出例を図2に示します。画像内の車両前方7mに相当する高さのピクセルを水平に走査し、輝度変化によって白線を検出しています。車両から遠い位置ではカーブ等の影響で精度が落ちるため、車両から近い位置で検出を行っています。計測誤差は20cm程度です。車両中心位置はボンネットにテープを張って目印としています。

図2 白線検出例

高精度IMUによる走行軌跡をGoogle Earth上に補正せずにプロットしたものを図3に示します(赤色の線)。

図3 高精度IMUによる走行軌跡をGoogle Earthにプロット

次に、高精度IMUによる絶対位置を車両中心として、画像認識から取得した左右の白線位置を併せてプロットしたものを図4に示します(黄色の線)。これによるとGoogle Earthの車線位置と誤差があることがわかります。

図4 高精度IMUによる走行軌跡とカメラ認識による車線位置をプロット

ここで、車線が重なるように走行軌跡のプロット位置を緯度および経度方向に補正することで、車線内の車両の軌跡をより正確に把握することができるようになります。補正済みの画像を図5に示します。

図5 補正後の走行軌跡

今後、より高精度であることが期待されるLiDARを白線認識に使用した場合を比較対象として、本方式の精度を評価することを予定しています。

最新研究情報一覧に戻る