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低損失MOSチャネルダイオードの開発(電気電子情報工学科/先進太陽エネルギー利用技術研究所 教授 工藤 嗣友)

電気電子情報工学科/先進太陽エネルギー利用技術研究所 工藤 嗣友 教授

本研究は、MOSFET構造をベースに自己バイアス効果チャネルダイオードの2端子化を図った素子を開発しています。電気特性は汎用のショットキーバリアダイオードと比較して高温時でも熱暴走を起こさないことを確認しました。


半導体素子の低損失・高速動作をテーマに研究を行っています。中でも特に力を入れているのがダイオードの低損失化の研究です。低損失ダイオードとは、スイッチの役割をする半導体素子のひとつ。例えば、スマートフォンの電源を入れた際、速やかに起動させる役割を担っています。本研究室が行っているのは、このような高速動作ができるダイオードの実用化に向けた研究開発です。このダイオードの使用用途としては、太陽電池パネル用バイパスダイオード、電源制御等が該当します。

現在、本研究室で開発中のダイオードの断面構造を図1に示します。(a),(b)の構造の違いは、アノード電極側のn+拡散層が全面拡散と部分拡散の違いなっておりますが、製造コストに大きな違いがあります。(a)の構造の方が安価で製作することができます。しかし、この構造は、寄生バイポーラトランジスタ構造を有しているため逆方向特性において(b)よりも劣る問題があります。一方、(b)の構造は、寄生バイポーラトランジスタ構造を有していませんので耐圧値も良好であり順方向特性も損失が低くなることにも期待が持てます。

図2は、図1の(a) NBS-SBCD、(b)BS-SBCDと比較用としてCrショットキーバリアダイオードの75℃における順方向特性を示します。Crショットキーバリアダイオードと比較して、低い電圧で電流が流れていることを確認しています。

図3は、Tiショットキーバリアダイオードを加えた電力損失の特性を示します。提案ダイオードは、100℃以上でも熱暴走を起こさないことを確認しています。


▼本件に関する問い合わせ先

研究推進機構 広報担当

E-mailken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

 

▼関連するSDGs

9 産業と技術革新の基盤をつくろう

電気電子情報工学科 電子デバイス研究室(工藤 嗣友教授)紹介ページ
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