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廃棄物による廃棄物処理 -古紙分解物添加型下廃水高度処理システムの開発-(健康生命科学研究所/応用バイオ科学科 教授 局(つぼね) 俊明)

健康生命科学研究所の局研究室では安全で快適、健康的な生活を支えることを目指して、バイオテクノロジーを用いた高性能・低コスト型水処理技術の研究を行っています。

富栄養化の主な原因物質である窒素(N)とリン(P)の除去のためには、メタノールなどの高価な還元剤が必要ですが、我々は、廃棄物である"古紙"を生物分解して還元剤を製造し、その還元剤を廃棄物である"廃水"の窒素・リン除去に用いるという、一石二鳥を狙った"廃棄物による廃棄物処理"の研究をしています。想定システム構成は図1の通りで、古紙分解反応タンクで嫌気条件下で微生物の作用により古紙を分解して、還元成分である糖類や低級脂肪酸に分解し、水処理工程で還元剤として用いるものです。

健康生命科学研究所/応用バイオ科学科 局 俊明 教授

図2は、古紙分解実験における古紙繊維分の分解の状況を示したものです。35日目には、繊維分はほとんど分解されています。ただし、実験結果を用いて行ったシミュレーションの結果、実用化のためには、古紙分解タンクの小型化、別の言い方をすれば反応速度の向上が必要であることが明らかになっており、今後、使用する微生物の探索・選定や、反応タンクの制御条件の検討を行っていく計画です。


▼本件に関する問い合わせ先

研究推進機構 広報担当

E-mailken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

 

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