生物活性を有する新規有機化合物の合成(応用バイオ科学科 教授 野田毅)
動植物や微生物などから見いだされる天然由来の生物活性をもつ塩基性有機化合物をもとにして、人々に役立つ(医薬品など)新しい生物活性を示す化合物の合成に取り組んでいます。
応用バイオ科学科 野田毅 教授
自然界は、人間社会に有用なものを数多く供給してくれています。健康に生活するためには、病気とうまくつきあう必要があり、古くから、天然から得られる物質を病気克服のために使用してきました。特に、植物由来の塩基性有機化合物であるアルカロイドと呼ばれる天然物が医薬品として利用されています。
この化合物は、主として神経系に作用するものが多く、現代の抱える神経関係の病気を治癒するのに貢献できる物質開発のヒントになると私は考えています。私の研究室では、動植物・微生物から見いだされる天然物をもとに、有機合成の技術を用いて、安価で簡単に手に入る物質から生物に活性を持つ化合物を合成しています。
私たちの研究室では、世界に例のないわれわれだけが作れる新規な物質を合成するため、研究を続けています。いろいろなガラス器具を用いた反応、溶液の濃縮や結晶のろ過などの有機合成技術を駆使して新規有機化合物を合成していきます。それらの構造は、いろいろな機器分析装置(核磁気共鳴装置、質量分析装置など)を用いて、明らかにしていきます。