「KAIT Vehicle Dynamics Experience 2025」を埼玉スタジアム2002で開催しました
2025年3月28日(金)、神奈川工科大学では「KAIT Vehicle Dynamics Experience 2025」を埼玉スタジアム2002にて開催しました。本学の教育研究成果を社会に発信し、自動車の運動性能や最新制御技術に関する体験を通じて理解を深めてもらうことを目的とした本イベントは、自動車技術会 車両運動性能部門委員会との併催として実施され、委員会所属の企業技術者など30名以上が参加されました。
今回の体験テーマは、神奈川工科大学で生まれた「G-Vectoring*制御」(横運動に連係した加減速制御)と、ドライバモデルを活用した操舵特性評価手法(τL評価)です。
体験走行では、市販車にペダルロボットを搭載し、あらかじめ計算された理想的なG-Vectoring制御を実装して試乗できるように学生が車両へのインストールと実験準備を行いました。さらに、企業の協力により、本学のG-Vectoring制御を搭載した2台の車両にはADASコントローラを活用した実装が施され、これらの車両も試乗体験に供されました。
また、体験内容の一つとして、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)による急減速シーンを再現した際に、ドライバーがステア操作で回避を試みた場合、AEBが解除されてしまい衝突回避が難しくなる事例を体感できるようにしました。一方で、AEBとG-Vectoring制御を組み合わせた場合には、制動中でも適切な荷重移動が促進され、車両の回避性能が大きく向上することが確認され、その有効性を参加者全員が実車で体感することができました。
さらに、シミュレータ体験では、デスクサイド・ドライビングシミュレータをトラック上に設置し、参加者自身がドライビングを行った運転操作をデジタルツインドライバとして同定し、そのパラメータを用いて実車の操舵特性を定量的に評価する「τL評価手法」も紹介されました。体験者は、自身の操作がどのようにモデルに再現されるかを体感しながら、モデルベースの操安評価への理解を深めました。
また、委員会のプログラムとしては、大学院1年の学生が「サスペンションの上下摩擦が車両平面運動に及ぼす影響」について話題提供を行い、企業技術者との間で活発な議論が交わされました。
参加された企業の専門家からは、
「たいへんに大掛かりなイベントで内容も充実しており、驚きました。運営の皆さんの対応も慣れていらっしゃるようで、丁寧に技術内容を解説いただき、大変ありがたかったです。」
といった評価の声をいただきました。
本学では今後も、教育と研究の現場で得られた成果を社会に還元するためのこうした活動を継続的に行っていく予定です。
なお、本研究は、本学先進技術研究所の第四期研究テーマに採択され、2024-2025年度 自賠責運用益拠出事業による交通事故防止に関する研究支援( https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/pdf/2025_jibai_jigyou.pdf )を受けています。
*G-Vectoringは、Astemo株式会社の登録商標です。