4月7日(金)に、App Inventor FoundationのExecutive DirectorであるDr. Natalie Lao氏が、 Dr. Nicholas Kwokとともに本学を訪問され、本学の山本富士男名誉教授(元情報工学科)、田中博教授(情報工学科)、鷹野教授(国際センター所長)と対談いたしました。また、田中(博)研究室では須藤准教授(情報工学科)も加わり、App Inventorなどを利用して開発したデモ説明を実施いたしました。デモ説明では、田中(博)研の藍原直大さんと島田紘武さんにもサポートしてもらいました。  

MIT App Inventorとは、AndroidやiPhoneなどで動作するスマートフォン・アプリを作成するためのビジュアルプログラミング環境です。Webブラウザから、従来のようにソースコードを書くことなしに、プログラミング・ブロックを組み合わせてアプリを作成することができます。  

山本名誉教授は、これまで App Inventorを用いて、鈴鹿ソーラーカー走行時のデータ収集アプリ、気圧による高度推定に基づいたエレベーター階判定アプリ、教育向け数学問題の解答導出アプリなどさまざまなアプリを開発されてきました。今回の対談では、最新成果である量子コンピューティングによる画像ノイズ除去アプリを含めて解説されました。

Natalieさんからは、山本名誉教授のApp Inventorアプリ開発の貢献についての御礼をいただくとともに、App InventorにおけるAI機能の導入とその展望、及び中高生向けの教育プログラムの展開に力を入れているとのご説明がありました。 MIT App Inventorは、小中高生から大学生にいたるまで、幅広い年齢層でのプログラミング教育に有効であるとともに、数学、科学、語学などの教育向けアプリ開発など教育分野での応用可能性も高いことを示唆されていました。

Natalieさん、Nicholasさんご夫妻は、情報学、数理科学、教育工学と幅広い分野で造脂が深く、App Inventorとして開発していきたい諸機能についても幅広い視点からさまざまなアイディアをお持ちであり、今回の対談でもApp Inventorの可能性についての議論が非常に弾みました。また2024年には、App Inventorサミットを開催予定であるなど、今後の活動についても非常に意欲的なお話を聞かせてくれました。

今回のDr. Natalieご夫妻のご訪問をきっかけに、本学と App Inventor Foundationとの協力関係を築いていきたいと思います。

なお、MIT App Inventorは、MITのComputer Science & Artificial Intelligence LaboratoryのHal Abelson教授の主導により開発が進められ、現在は App Inventor Foundation として、MITおよびGoogleのメンバーが中心となり開発および教育プロジェクトが展開されています。今回は、Abelson教授によるご紹介が、Natalieさんらのご訪問のきっかけとなっております。

(App Inventor Foundation) https://www.appinventorfoundation.org/

(MIT App Inventor) https://appinventor.mit.edu/

Dr. Natalie Lao、山本富士男名誉教授との対談にて

田中（博）研究室でのデモの様子