芝端康二特別客員教授が第73回自動車技術会賞論文賞受賞
芝端康二特別客員教授(Vlabo)は、公益社団法人自動車技術会より第73回自動車技術会賞論文賞を受賞しました。
自動車技術会賞は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られるものです。
自動車技術会賞は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られるものです。
対象論文
論文名:「過渡状態におけるDYC制御の原理と応用」第1報~第3報
掲載誌:自動車技術会論文集 Vol. 53 No. 3,4,6
執筆者:芝端 成元(Vlabo)
芝端 康二(Vlabo)
受賞理由(概略):DYC(Direct Yaw-moment Control: 駆動制動力の左右配分制御)の過渡的制御方法に関して
①ヨー慣性モーメントを低減した車両と同等の特性が得られる制御方法を見出した。これにより車両の過渡的運動特性が本 質的に改善できる。
②デファレンシャルギヤ(デフ)の摩擦トルクは操舵応答特性に有意な差で影響を及ぼす。
③ ①の制御法をデフに適用すると駆動力を制御することにより操舵応答特性を改善できる。
④ 非線形系の応答特性を特性方程式の根の位置で評価する方法を提案した。
⑤ 四輪駆動車では直進性が向上するという過去の経験知を前後二つのデフにより生じる復元ヨーモーメントにより解析的に解明した。
上記新知見はEVを含め、デフを装着する全ての車両において考慮されるべき基盤的内容であり、工学的・工業的に高く評価される。
芝端特別客員教授のコメント
メカとタイヤだけで構成される車両システムの特性を解明するクラシカルビークルダイナミクスとも言われる領域において未だ未解明の現象が残されています。今回の論文は長いエンジニア経験のある共著者の問題提起に対して主著者の若いエンジニアが取り組んだ内容です。 父子の家内制手工業でどこまで何ができるかチャレンジした論文でもありました。 所属の「Vlabo」は車両運動性能の技術進化に貢献するための既存の組織にとらわれないボランティアグループでどなたでも参加できます。
VD(ビークルダイナミクスー車両運動性能)は自動車がEV、自動運転の時代に進化しても変わらず必要とされる技術領域です。クラシカルビークルダイナミクス領域における未解明現象が全て解明されることを願っています。老いも若きもチャレンジされることを願います。
自動車技術会春季学術講演会 第73回 自動車技術会賞 表彰式にて
【会長:本田技術研究所の大津啓司社長とともに】