国内最大級のインターネット技術のイベント「Interop Tokyo 2021」に情報ネットワーク・コミュニケーション学科が出展
4月14日から16日にかけて幕張メッセにて開催された国内最大級のインターネット技術のイベント「Interop Tokyo 2021」がリアル&オンラインで開催されました。本展示会は、世界4ヶ国で開催されており、日本でも1994年以来、毎年開催され、今年はコロナ渦の中、3万7千名の来場と2万5千名のライブ視聴がありました。
本学は、2015年から開催中止となった昨年を除き、毎年大学独自のブースを設け、共同研究先の関係各社のご協力の基で、公開実験の動態展示をしております。今年は、情報ネットワーク・コミュニケーション学科の丸山研究室、瀬林研究室が共同で神奈川工科大学ブースを出展し、共同研究先のミハル通信株式会社様と古河ネットワークソリューション株式会社様と共同で、以下の2つの実験デモ展示を行いました。
アカデミックイノベーション | Interop Tokyo 2021 (インターロップ東京 2021)
これらの実験は、情報通信研究機構(NICT), 国立情報学研究所(NII)の研究開発用ネットワークテストベッドである『JGN』と国立情報学研究所(NII)『SINET5』を使用し、大阪、東京間の200Gbpsの回線を幕張の会場まで引き込むことで実現しました。200Gbpsの回線の使用した実験デモは、本展示会では神奈川工科大学が唯一でした。また、この100Gbps超のIPマルチキャストルーチングには、共同研究先であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱様のソフトウェアルータ「Kamuee」を使用しました。
1. 大容量映像処理向けリアルタイムサービスチェイニング
最新のネットワーク技術であるSRv6を用いたサービスチェイニング技術を用いて、ネットワーク内にある映像処理機能を自在に組み合わせて、8Kリアルタイム映像処理を実現する技術です。
今回は、複数の遠隔地にある8K超高精細映像ソースを用い、東阪の広域に展開したSRv6網を用いて8Kリアルタイム映像処理を実現するシステムの動態展示を行います。本システムを200Gbpsの広帯域で会場内のShowNetに接続し、商用ISP(OCN)網とJGN、SINET5が相互接続された広域ネットワーク上に構築しました。本展示は、ミハル通信株式会社様、古河ネットワークソリューション株式会社様との共同研究の成果です。
本実験では、 IPマルチキャストグループへの参加離脱による従来方式では数秒かかっていた切り替えが、本技術により1フレーム以内という瞬時に切り替えが実現できていることを直接ご覧頂くとともに、切り替え以外の映像処理にも適用可能であることもアピールすることが出来ました。
2. 低遅延8K圧縮伝送 掛け合い&遅延比較
共同研究先のミハル通信株式会社様の超低遅延8K HEVCエンコーダー ELL8Kと本学の8K非圧縮映像伝送システムを用いて、神奈川工科大学ブースと本学先進技術研究所間で、8K-Fullリアルタイム双方向通信を行い、8Kの圧縮映像と非圧縮映像の遅延や映像品質の比較実験を行いました。
本学先進技術研究所では、ミハル通信株式会社様のエンジニアの方々とともに、本学の学生も実験に参加し、実際に会場の神奈川工科大学ブースと8Kリアルタイムの掛け合いという、本学以外では体験できない貴重な体験をすることが出来ました。
本学ブースにお越し頂いた来場者の方がは、大規模な超高速ネットワーク実験を実施できる本学の研究開発力と技術力とその先進性とともに、これらの実験の準備から展示ブースの設営、実験デモの実施と来場者への説明に至るまで、全て学生主体で実施していることに、一様に驚きの声をあげておられました。
来年のInterop Tokyo 2022は2022年6月15日(水)~6月17日(金)に開催されます。勿論、次回も出展予定です。
本実験は、御協力先(敬称略)の情報通信研究機構(NICT)、国立情報学研究所(NII)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱、ShowNet、ミハル通信㈱、古河ネットワークソリューション㈱、シャープ㈱、アストロデザイン㈱、アリスタネットワークスジャパン合同会社、北海道テレビ放送㈱、ピュアロジック㈱、ジュニパーネットワークス㈱の皆様のお蔭で実現できました。今回の受賞の栄誉も関係各社の御協力の賜物です。厚く御礼申し上げます。
※本実験の一部は、JSPS科研費19H04102の助成を受けて進めました。
情報学部情報ネットワーク・コミュニケーション学科
教授 丸山 充、 特任教授 瀬林 克啓