管理栄養学科
高い専門性と+αのスキルを身につけ
幅広い世界で活躍する管理栄養士へ
「食」の観点から人々の健康や暮らしや医療現場を支える栄養士・管理栄養士をめざすのが、管理栄養学科の学び。求められるのは調理の実技や食品開発におけるクリエイティブな能力に加え、栄養学を科学的にとらえ、健康に関する課題を発見・解決する「科学的センス」です。高校での化学や生物の学びに不安がある学生でもしっかりと成長できるよう、高校の内容から遡って学べるカリキュラムを設定。「理系の学びに強い」工科系大学ならではの最新鋭の学習・研究環境が、将来を切り拓く力を磨く舞台となります。
学びのキーワード
- ・栄養士/管理栄養士
- ・健康的な食生活
- ・食品開発/メニュー開発
- ・身体と栄養の関係
- ・多職種連携/チーム医療
- ・食育/栄養教諭
- ・スポーツと栄養
- ・理工系で学ぶ栄養学
- ・食品衛生
- ・地域医療/地域福祉
学科の特長
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01 「ウェルビーイング」を叶える先進技術活用
「食」は人の健康だけでなく、幸福な暮らしを生み出すもの。身体的・精神的・社会的な幸福を表す「well-being」の実現をめざす中で、栄養学の分野においてもAIや遺伝子工学など、先進技術の活用が進んでいます。遺伝子情報と食事や運動をAIが機械的に組み合わせ診断したものを、管理栄養士が個人にあわせて判断し、栄養指導に生かす。そんな未来も遠くないかもしれません。
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02 農業や環境保護にも貢献する
栄養学の未来自然から得られる食品をテーマとする上で、農業や環境と栄養学は実はとても近い存在です。これまで栄養学では「食品と人」が中心でしたが、これからは自然環境と共生する食について考えることが必要。フードロス問題などは身近な課題のひとつですが、環境負荷の低い食糧生産や食事の在り方、食糧生産現場と連携した取り組みの推進など、一歩進んだ研究・実践が求められています。
学科の学び
学びの流れ
特色ある教育
健康志向の時代に大きく広がる
管理栄養士へのニーズ
利用者の健康状態を踏まえて、栄養学に基づき献立を考案・調理し、日々の食事内容について評価・指導を行う。そんな管理栄養士の活躍の場は健康志向の時代を受け、医療機関・各種施設・学校から、行政、企業、スポーツ関連分野に至るまで多岐にわたります。栄養に関する高い専門性をベースに、コミュニケーション能力やITスキルといったさらなる素養を身につけることで、将来のキャリアイメージを大きく広げることができます。
工科系大学だから身につく
科学的視点と情報通信技術
栄養学を学ぶ上で、土台となる化学や生物学の知識は欠かせません。化学系の学部・学科を擁する神奈川工科大学ならば、これまで培われた教育ノウハウと同時に、生物・化学をはじめて学ぶ/あまり得意ではない、といった学生へのフォロー体制も充実しています。また高度情報化が進む時代において、ITスキルはあらゆる分野で求められるもの。工科系大学ならではの先進的な情報教育やICT環境で身につくITスキルも、卒業後に活きる力となるでしょう。
管理栄養士+αの資格取得で
将来の可能性を広げる
+αの資格を取得してより専門性の高い管理栄養士となるための「+α資格取得プロジェクト授業」を3年次より開講。食品関連企業、スポーツクラブチーム、病院・介護施設、県や市と連携して行っており、学科の科目とは異なる知識や技術を得られるのが特徴です。5つに分かれたプロジェクトで、食品産業マイスター*、臨床栄養コーディネーター*、スポーツ栄養マイスター*、調理家電マイスター*、食教育実践コーディネーター*といった資格が取得できます。
*登録商標
+α 資格取得プロジェクト授業
+αの資格を取得してより専門性の高い管理栄養士となるための「+α資格取得プロジェクト授業」を3年次より開講。食品関連企業、スポーツクラブチーム、病院・介護施設、県や市と連携して行っており、学科の科目とは異なる知識や技術を得られるのが特徴です。5つに分かれたプロジェクトで、食品産業マイスター*、臨床栄養コーディネーター*、スポーツ栄養マイスター*、調理家電マイスター*、食教育実践コーディネーター*といった資格が取得できます。
*登録商標
専門性の高い管理栄養士をめざす4つの特別プログラム
専門的の高い管理栄養士となるための、4つの特別プログラムを用意。
1~4年次まで、授業外での学びにも無料で参加できる、社会で活躍する力を高める実践教育を行います。
NST(栄養サポートチーム)特別プログラム
患者さんの疾患や健康状態に合わせて、医師、看護師、薬剤師などと協働で栄養療法に取り組むスペシャリストです。病院での臨地実習などを行いながら、未来の医療を支える管理栄養士をめざします。
スポーツ栄養特別プログラム
アスリートへの栄養指導で求められる 運動生理学や競技における実践心理などを学習。プログラム履修者には卒業後、(株)神奈川工科大企画に就職し、高等学校等の運動部の栄養指導を行うことを可能としています。
公務員管理栄養士特別プログラム
学内の公務員対策室と連携し、公的機関で公務員として働く管理栄養士をめざすプログラムです。国家公務員の場合、厚生労働省や国立病院、公立の学校や病院、保健センター、保健所などをめざすことができます。
管理栄養士Nutrition Informatics※1特別プログラム
進化するICT技術を活用し、食・栄養・健康に関する情報の処理や、人々の行動変容を支援する情報発信を行うスキルを習得。情報学部教員から画像・映像制作を学ぶなど、理工系大学ならではの学びを実現します。
*Nutrition Informaticsは、栄養に関連したさまざまなデジタル情報に関連する全ての技術を示します。
資格取得サポート
「管理栄養士」の資格をサポートする独自の支援体制
管理栄養士国家試験合格率100%をめざし、本学科ではさまざまな試験対策支援を行っています。管理栄養士の資格を持つ専任スタッフによる個別相談や、管理栄養士として活躍する先輩を招いて行う「国家試験・キャリア懇談会」のほか、学内で行う「国家試験対策模擬試験」では、結果を詳細に分析し、一人ひとりに合わせたアドバイスを実施。試験対策資料や自習スペースも豊富に用意しています。
eラーニングシステムで試験対策
本学独自のeラーニングシステムを使って、過去問題研究や予想問題にキャンパス内、自宅でチャレンジでき、自分の弱点発見や補強ができます。
国家試験対策室を設置
豊富な資料と自習エリアを備えた国家試験対策室を設置。管理栄養士である専任スタッフが管理栄養士の国家試験合格に向け、個別の相談に親身に対応します。
管理栄養士国家試験合格率
年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
2020年度 (第8期生) |
89.5% | 57名 | 51名 |
2021年度 (第9期生) |
79.5% | 73名 | 58名 |
2022年度 (第10期生) |
80.0% | 55名 | 44名 |
2023年度 (第11期生) |
76.2% | 42名 | 32名 |
施設紹介
主な実習施設
調理実習‧⾷品加⼯室
調理実習用のコンビネーションレンジ、デッキオーブンなど約50点の設備の他、講師の調理の手さばきを映すためのモニターシステムを装備。
機器分析室
バイオサイエンスセンター施設の「機器分析室」を利用しています。高速液体クロマトグラフ、カーボンアナライザ、ガスクロマトグラフィ質量分析計など10種類以上の高度な分析機器が配備されています。
クリーンベンチ室/培養室
大型冷蔵庫、定温恒温器、オートクレーブ、クリーンベンチ、多目的冷却遠心器、可動ステンレステーブルや実験台など、実験や実習に利用できます。
給食経営管理実習室
給食の運営・管理実習の場として使用。HACCP概念に基づいた大量調理の衛生管理マニュアルに沿った設備、新調理システム用の機器を導入。工程別にエネルギー使用量を計測できるシステムを採用しています。
臨床栄養実習室/カンファレンス室
各種人体標本、骨密度測定システムなど100点以上の機器を設置。病院における栄養サポートチーム(NST)での業務を想定し、カンファレンス室も併設。
教育目的と各種ポリシー
- 知識・リテラシー
- (1) 管理栄養士・栄養士に必要な基礎学力を持ち、その専門分野における知識や技能を体系的に理解できる。
- (2) 管理栄養士・栄養士として必要な情報、およびデータサイエンスの基礎知識とリテラシーを身に付けている。
- 課題解決力
- (3) 基礎知識・技能を活用し、多面的で多角的な視点から物事を考え、栄養や健康に関する問題を発見し、解決および新たな価値づくりができる。
- (4) 栄養や健康に関する知識を体系化し、発見した課題についての分析的な問題解決能力、論理的な説明能力を身に付けている。
- 学修に向き合う力、栄養の専門職としての人間性
- (5) 管理栄養士・栄養士として活躍するためのコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、また他の専門職との協働力を身に付けている。
- (6) 主体的な学修・探究活動・実験実習による検証等に取り組む姿勢を身に付けている。また、管理栄養士・栄養士としての社会的責任を理解し、管理栄養士・栄養士としての倫理観を身に付けている。
- 知識・リテラシー
- (1) 専門基礎導入科目の講義と演習を通して、栄養や健康の理解に必要な化学と生物の基礎学力を修得する。この基礎学力とは、計算のみならず、科学的素養を身に付けることで、身の回りの事象との関連性を論理的に理解することをいう。以上を踏まえて、管理栄養士・栄養士を目指す動機づけにつながる専門基礎科目の講義で「社会・環境と健康」、「人体の構造や機能、疾病の成り立ち」、「食べ物と健康」それぞれの科目群の知識や基礎技能を体系的に理解する。
- (2) 共通基盤科目の数理情報系分野における「情報・AIリテラシー」を初年次に学修した上で、情報およびデータサイエンスにおける基礎知識とリテラシーを身に付ける。さらに専門関連科目の「Web技術入門」、「画像情報処理」、「情報統計」の講義、演習を通して、Webの原理、画像処理、データの統計処理を修得するとともに、栄養の専門職として必要な情報技術に関する基礎的技能を身に付ける。
【学修成果の評価方法】
共通基盤教育科目、専門基礎導入科目、専門基礎科目、専門関連科目における試験、小テスト、レポート、演習で評価する。
- 課題解決力
- (3) 専門基礎科目の実験、実習では、多面的で多角的な視点からの食品・生物の性質・特徴および動的変化の観察を通して、栄養・生命現象に関する基礎知識および取扱の基礎的技術を体系的に取得する。学内で行う専門科目の実習において、栄養や健康に関する課題・問題のデータの計測・解析および報告書をまとめる過程で、様々な事象と講義で得た知識を関連付けて考えることができる能力を身に付ける。「総合演習」、「+α資格取得プロジェクト」、「臨地実習」、「卒業研究」の実践的課題解決型教育により、基礎知識・技能を応用して新たな問題を発見し、解決する方法を学ぶ。
- (4) 専門科目において、管理栄養士・栄養士としての専門性を高めるために必要とされる「基礎栄養学」、「応用栄養学」、「栄養教育論」、「臨床栄養学」、「公衆栄養学」、「給食経営管理論」それぞれの科目群の講義を通して、栄養評価・判定に基づいた企画、実施、評価の総合的なマネジメントを行う能力を学ぶ。さらに、専門基礎科目及び専門科目の実験、演習、実習を通して、PDCAサイクルに基づいて目的設定と計画立案、行動する力、評価して課題を発見する力、発見した課題についての分析的な問題解決能力を修得する。さらに、卒業研究では研究計画の立案や必要な調査を主体的に行い、そして、報告書の作成や発表を通して、第三者にその内容を論理的かつわかりやすく伝える能力を身に付ける。
【学修成果の評価方法】
専門基礎科目、専門科目では試験、レポート、実験、演習、実習により評価する。「総合演習」、「+α資格取得プロジェクト」「臨地実習」では実施状況を実習記録、レポートにより評価する。「卒業研究」では、課題達成状況やその到達プロセス、プレゼンテーションなどにより多面的に評価する。
- 学修に向き合う力、栄養の専門職としての人間性
- (5) 社会人として必要な教養は共通基盤科目全般で学び、特に倫理系科目を通して学ぶ。また、専門基礎科目の「社会・環境と健康」科目群を通して管理栄養士の社会的な責任に対する自覚を高め、対象者等との信頼関係の確立に必要な職業倫理を学ぶ。さらに、専門科目の「臨地実習」により、社会で役立つ管理栄養士・栄養士として必要な能力を理解するとともに、他者と協働してコミュニケーションを取りながら課題を解決する能力を身に付ける。
- (6) 将来の管理栄養士・栄養士としての倫理観は共通基盤教育科目の「生命倫理」や専門基礎科目の「栄養生命科学概論」で学ぶとともに、専門科目の「総合演習」、「臨地実習」、「卒業研究」における総合的な学びの中で身に付ける。さらに、研究活動を行う能動的な態度を活かしながら、管理栄養士・栄養士として必要な探究力を身に付ける。
【学修成果の評価方法】
共通基盤科目では、試験、小テストやレポートで内容の理解度を評価する。専門基礎科目および専門科目は、試験、小テスト、レポート、演習、プレゼンテーション等で評価する。「総合演習」、「臨地実習」では実施状況を実習記録、レポートにより評価する。卒業研究では、活動状況(計画立案、遂行状況、コミュニケーション等)や卒業論文のまとめ方、そして研究発表に対して複数の教員で総合的に評価する。
求める人材像
本学のAPに該当し、また次の 1~3 に該当する人および該当しようとする人を求めます。
- <知識・リテラシー> 栄養学の理解に必要な情報とデータサイエンスの基礎学力を高めようとする意欲がある。
- <課題解決力> 栄養学の基礎知識・技能を活用し発展的に物事を考えようとする意欲がある。
- <学修に向き合う力、栄養の専門職としての人間性> 粘り強く学修・探究活動・実験等に取り組む意欲のある人。
選抜の方法
管理栄養士・栄養士をめざす上で必要な高校段階までに身に付けた基礎学力、栄養学を学ぶための多様な学習意欲、そして管理栄養士・栄養士に対する思い・理解を把握するため、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜を実施します。
選抜の詳細
面接や実験の内容、学力試験科目等の詳細は、大学案内、本学ホームページによりお知らせします。